2008 Summer Greece vol.4 メッセネ遺跡

古代都市メッセネ遺跡について

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“パウサニアスの「ギリシア記」によると、

メッセネの町は、テーベの英雄エパミノンダスがレウクトラの戦いで

スパルタを破った後、紀元前369年に建設されたとされる”

 

文献にはこのように書かれている

スパルタと言えば『300』という映画の舞台になっているので

聞いたことがある人もいるかもしれないが

メッセネ遺跡のことに付いて知っている日本人は皆無といってもいい

そんな場所で、2ヶ月間調査を行っていた

 

 

 

約2400年前ここメッセネには都市が築かれていた

日本ではまだ、狩りから稲作へと変わった頃か?

 

その頃、古代ギリシアでは、文明が成熟期を迎えていた

都市を敵から守る為に約9kmに渡り城壁が築かれ

内部には、神殿、神域、劇場、スタジアム、音楽堂、墓、住宅など

人々が生活する為の環境が整えられた

 

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約9kmあったとされる城壁

 

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城壁の途中にあるアルカディア門(城門)

現在もここが村の入り口となっている

 

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城門で遊ぶ子どもたち

何故だか絵になる。。。

 

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アスクレピオス神域

芝生の中心に基壇部だけ見えるのがアスクレピオス神殿

それを列柱の回廊が囲む様に建てられていた

 

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これがその復元模型

2000以上も前にこんな建築が建っていたのかと感動し

鳥肌が立ったのを覚えている

 

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神域の横に隣接している音楽堂 

 

 

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遺跡の建物を構成していた部材

中でもアーキトレーブ(梁)には動物や植物などを模した彫刻が施されていることが多い

 

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次にスタジアムの入り口の門

 

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でこれが、スタジアム

当時は、徒競走はトラックを回るのではなくここを直線に走っていたそうだ

 

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横を見るとこんな感じ

ここにも列柱がまわっている

 

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最後にこれが調査対象のローマ式劇場

調査当時は荒れ果てて劇場の面影もあまりなかったが

現在は修復されて↓↓こんな感じになっているらしい

 

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自分達がやったことが少しは役に立っているようで良かった

 

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その劇場の中でも今回の調査の対象は

スカエナエフロンスと呼ばれる舞台背景の部分

全くどんなものがあったのか想像がつかないと思うが、、、

 

 

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現存する劇場で一番残りがいいのはこんな感じ

 

あの荒れ果てた舞台の上にこんなものがあったのではないかと想像しながら

ひとつひとつの石の部材を計測し、復元案を作っていく

 

とまあ、聞けばロマンがあるような話だが、

ひとつひとつの石の計測は猛暑のなか地味でかなりつらいのだが

それは、また次回